アルツハイマー病の早期診断

アルツハイマー病の早期診断に期待される検査として1H-MRSがあります。

これは脳の水素原子の核磁気共鳴スペクトルを測定するもので、アルツハイマー認知症でNAA(N-acetylasparatate)のピークの減少、MI(mioinositoDの増加が認められるとの報告があります。

そこではアルツハイマー認知症患者と血管性認知症患者の1H-MRSスペクトルを比較し、アルツハイマー認知症患者では血管性認知症や正常対照に比較して左上部側頭葉と後部帯状回でNAA/Cr比が低下しており、またアルツハイマー認知症患者と血管性認知症の患者では正常対照に比較してMI/Cr比が後部帯状回で増加しているとの報告です。

これを用いることで軽度のアルツハイマー認知症の診断の精度を上げることが可能と思われます。

このような客観的診断法は診断を確実にするために有用です。

とくに初期では上述のように診断に苦慮することはまれではありませんので、SPECTを初めとする種々の補助診断手法を用いて診断していくこととなります。